第4章 感覚【武田信玄】
私はずっと悩んでいる事がある。
幼い頃からの悩み。
触られたくない。
触ると変な声が出るから。
だから私は触られそうになるとスッと避ける癖がついた。
だから、信玄さんと出会った時も触られたのは最初に飛び降りた時と血を吸われた時だけ。その時はとても我慢したんだから。毎度毎度触られてビクッとしながら変な声出すの明らかに変人だと思うんだよね。
「はて…どうしたらよいのか…。」
「よぉ!楓!どうかしたか?」
後ろからあの人の声。
「信玄さん!」
「さっきどうしたらいいかって呟いてたから、何かあったのかって思ってさ。」
「聞いてたんですか…。」
「人狼だから耳はいいんだよな。」
へへっ、と笑う彼を見て釣られて微笑む。
…やはり人間よりも人狼の方が優れている。