第29章 キミとおうちで〇〇〇デート【おそ松/デート松】
俺、今から本当にしちゃうんだ? でも、できるのか? 順番とか間違えたら……。いや〜、無理だ〜。DTの俺に愛菜を気持ちよくさせる腕なんてあるか? ヘタクソって思われたら? ちゃんと洗ったよな? もう1回トイレに行っておくべきだったか?
「おそ松くん! おそ松くん!」
「ハッ!!」
愛菜の声に我に返る。
「だから、本当にいいよ? 無理しなくて……」
「っ……」
無理じゃないっ! 全っ然、無理じゃないっ! ただ、ちょっと身体が動かないだけ!
「私は別に急がなくても、おそ松くんと一緒にいられたら幸せだし」
愛菜がそっと俺の手を触った。
「…………」
「あ、でも嫌だって言ってるわけじゃないよ! 今日、私もそのつもりだったし! おそ松くんとするのが嫌とか、そういうのは全然ないから!」
慌てて手を振る愛菜。
マジで? 今日、俺とするつもりだったの?
「愛菜……」
「この間、すごくしたいみたいだったのに、ごめんね。あのときはまだ心の準備ができてなくて。今日はちゃんと心以外の準備もしたし……」
「心以外の準備?」
「えっと、下着可愛いの買ったりとか、ムダ毛処理したりとか、ゴムも買っておいたし……って、言わせないでよ、やだな〜もうっ」
恥ずかしそうに笑う愛菜。
愛菜が俺に抱かれるつもりで準備を……。
ドクンと下半身が脈打った気がした。身体の奥から火照ってくる感覚。
「愛菜……」
「でも、いいよ。いつでもできるもん。それより今日は二人で一緒に……きゃっ!?」
気付いたら俺は愛菜を抱きしめていた。
「あんがと……」
「え?」
「俺としてもいいって思ったんだ?」
「うん」
「何で?」
腕の中で愛菜がくすっと笑った。
「何でって、さっきも言ったでしょ? 私、おそ松くんの彼女だもん」