第29章 キミとおうちで〇〇〇デート【おそ松/デート松】
《おそ松side》
言っちゃった! もう、ぶっちゃけた。見たくもないDVDを見ながら、チャンス伺うのとか、めんどくせぇし。俺って、自分に正直に生きるタイプだし!
「えっと……」
愛菜は何と答えていいのか分からないようだ。
真っ直ぐな男らしいお誘いに心臓ぶち抜かれちゃったんじゃね?
俺は爽やかに笑う。
「じゃあ、行こうか」
「え? どこへ?」
「ベ ッ ド」
決まった! 完璧だ。手を取ってベッドに誘導すれば、愛菜も付いてく……ん?
愛菜の腕を引っ張るが、彼女は動こうとしない。
ん? あれ? あれぇ〜?
「愛菜! どしたっ? おいっ!」
思いっきり引っ張るが、愛菜も負けじと足を踏ん張って抵抗する。
「おそ松くん! なんでこの状況で私が素直に付いていくと思うのっ!?」
「なんで!? ちゃんと誘ったじゃん!」
「ぶっちゃけすぎでしょ!? あんなの聞いて、『じゃあ、おそ松くんとえっちしよ♡』てその気になると思う!?」
「え、ならねーの?」
「不思議そうな顔しないで! ならないに決まってるでしょ!?」
ええっ、ならねーのかよ!
「え〜! 愛菜、お前、ほんっとワガママだなぁ〜」
「なんで!? 今の会話のどこにワガママ要素があるの!?」
「もういいじゃん! まどろっこしいことしてても時間もったいないだろ!? 俺はヤリたいの! 限界なの!」
ぐっと引っ張ると、ますます頑なに抵抗する愛菜。
「おそ松くんのそういう言い方が嫌なの! もっとムード出せないの!?」
ムード?
俺は手を離した。
ムードって、その気にさせることだよな?
「んじゃ、俺がここで全裸になればムード出る?」
「出ないっ!」
「じゃあ、エロ動画でも見る?」
「なんですぐそっち方向に行こうとするの!? そうじゃないでしょ!?」