《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第27章 トド松END〜警部補とわたし〜(※)
「毎日でもヘソ見せますから、そばにいてください……どこにも行かないでほしいんです……」
怖い。
トド松先輩がいなくなってしまうのが。
とてつもなく怖い。
気づくと、涙が頬を伝っていた。
チョロ松警部の下に配属されてから、トド松先輩はいつも隣にいてくれた。
あの逮捕の日まで、先輩に会えなくなる日がくるなんて思ってもいなかった。
どうしてもっと早く気づかなかったんだろう。
こんなギリギリのところまで来て、やっと自分の気持ちに正直になれるなんて。
バカみたいだ。
「ゆりちゃん……」
トド松先輩の瞳が哀しげに揺れた。
「好きです、トド松先輩。どこへも行っちゃだめですよ? ヘソを見せられなくなるじゃないですか!」
涙が次から次へと落ち、乾いた地面に静かに吸い込まれていった。
「ゆりちゃん、ごめんね。僕じゃ君を守れないよ。いい人を見つけて」
「そんな……」
胸が締めつけられる。
急に突き放されて、一人迷子になった気分だ。
「誤解しないで。ゆりちゃんのことは好きだよ。でも、物理的にそばにいられないから」
トド松先輩は優しく微笑んだ。
「物理的に?」
気持ちの問題じゃない。
やっぱり先輩はどこかに行ってしまうつもりなんだ……。