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《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)

第27章 トド松END〜警部補とわたし〜(※)


「なんだって!?」

あつしさんが唖然と口を開ける。
さすがの彼でも鍵がすり替えられている可能性までは考えなかったようだ。


「もし、守衛から『1』の鍵を渡されていたら、あつしさんは資料館にすんなり入れていたでしょうね。そして、デカパン所長のヒントを見つけてもっと早く工場にたどり着いていたでしょう。あなたが受け取った鍵がニセモノでよかった。おかげで僕には時間ができ、必要な薬を見つけることができました」

私もトド松先輩を呆然と見つめた。
先輩はすべて見越して、ニセモノの鍵まで用意していたのだ。
やっぱり抜け目がない。

「でも、あつし理事官は本物の鍵を渡される可能性もあったんだろう? 三分の一の確率で失敗していたんだぞ? たまたま成功したからよかったものの、運頼みなんてトド松くんらしくないな」
チョロ松警部が横から口を挟む。

たしかに守衛が『1』の鍵をあつしさんに渡していたら、薬は手に入れられなかった。


トド松先輩はふふふっとまた可愛く笑った。
「違いますよ、チョロ松警部。僕はそんな偶然なんかにかけません。あつしさんは『2』か『3』の鍵どちらかを渡されることになっていました」

「は? なぜだ?」

「『1』の鍵は普段から守衛が持ち歩いて見回りに使っているんです。どれも同じ鍵だけど、『1』の鍵をいつも手元に置いておくのがあの守衛の習慣になっているんですよ。だから、反射的に『1』以外の鍵を渡してしまう。成功する確率は限りなく百パーセントだったんです」
 

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