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《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)

第27章 トド松END〜警部補とわたし〜(※)


「ああ。鉢合わせしないほうがいいだろう。とりあえず出ようか」

「「わかりました」」

トド松先輩が大事そうに薬をポケットにしまう。

そういえば、工場の入り口にはおそ松さんがいたはずだけど大丈夫かな? 
心配……。

「ゆりくん、どうした? 行くぞ?」

「は、はい!」

チョロ松警部が静かにドアを開けた。
素早く出ると、近くの墓石の影に身を潜める。

次の瞬間、目の前に人が現れた。
ギリギリだったようだ。

「ここか。さすがに疲れたな」

男性のため息がここまで聞こえてくる。
暗くて顔はよくわからない。

男は懐中電灯であたりをくまなく照らした。

「っ!」
隠れている墓石も照らされ、身を縮める。

あっぶな〜、ヒヤッとした……。

「誰もいなさそうだな。チョロ松警部なら来てると思ったのに」

ん? チョロ松警部の知り合い?
やっぱり警察の人間?

そのとき、懐中電灯の光が一瞬男の顔に当たった。

「「「っ!!」」」
私たちは顔を見合わせた。

立っていたのは、警察庁のあつし理事官だった。

「鍵はかかっていないな」
あつしさんが研究所の中に入っていく。

やっぱりここまで辿りついたんだ。
優秀なあつしさんのことだから、私たちが来たことにも、薬の瓶が足りないことにもすぐ気づくだろう。

察しのいい彼なら、私たちがやろうとしていることまで見抜くかもしれない。

「よし、今のうちに逃げるぞ」
チョロ松警部が小声で話す。

私もトド松先輩も頷いた。

あつしさんが研究所から出てくる前に工場から脱出できればベストだ。


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