《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第27章 トド松END〜警部補とわたし〜(※)
部屋の中は物であふれていたが、無秩序に散らかっているわけでもなかった。
資料は本棚にアルファベット順できちんと収められていたし、さまざまな機械もいちおう壁に沿って置かれていた。
数ヶ月前まではきちんと手入れされていたのも一目瞭然。
「時間がない。僕は資料を調べる。トド松くんは機械を、ゆりくんは薬品類を調べてくれ」
「「はい」」
こうなったら片っ端から見ていくしかない。
私は薬品棚を覗いた。
「えっと……猫になれる薬、パチンコで勝つ薬、アニメの主役になれる薬、浮気がバレちゃう薬、美女薬?」
手が止まる。
美女薬って、文字通り美女になれる薬だろうか?
う〜ん、ちょっと興味あるんだけど……。
「ゆりちゃん、何かありそう?」
「っ!」
トド松先輩に声をかけられ、薬品棚から目をそらした。
「何もないです……」
「そっか。機械も一通り見たけど、使い方がよくわからなくて」
「マニュアルはないんですか?」
「そんな都合のいいものがあればいいけどね〜」
私は薬品棚をふたたび漁った。
「死者を生きかえらせる薬、みたいなストレートなのないかなぁ……」
手前にあった瓶が腕にあたり、床に落ちる。
「ゆりちゃん、落ちたよ?」
気づいたトド松先輩が拾ってくれた。