《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第27章 トド松END〜警部補とわたし〜(※)
「プレハブ小屋は敷地の一番北だ」
ブラック工場からは相変わらず機械音が漏れ、ひっきりなしに煙が排出されている。
夜中でも常に誰かが働いているのだ。
私たちは足音を立てないように工場の横を抜け、墓地に入った。
「うわっ、エグいな〜」
トド松先輩が顔をしかめる。
墓地にはいびつな形の墓石がひしめき合うようにいくつも建てられていた。
適当な字で名前が書かれている。
「警部、本当にここで過労死した人たちが眠っているんでしょうか?」
「そうだろうね……家族のもとに返すより、ここで墓に入れるほうが効率がいいんだろう」
墓地まで併設してるなんて、本当にブラック工場の闇は深い。
警察をクビになってもここでだけは働きたくないな、とふと考えてしまう。
「あったぞ。デカパン研究所だ」
チョロ松警部が指さしたほうを見ると、プレハブ小屋が見えた。
二棟が繋がった建物で思っていたよりも大きくしっかりとしている。
「うん、誰もいないな……」
窓から中を覗きこむチョロ松警部。
私もうしろから覗いてみる。
発明品なのかよくわからない機械のようなものが見える。
「鍵はかかっていないな……」
警部がドアを開けた。