《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第27章 トド松END〜警部補とわたし〜(※)
「そりゃ、俺は特別カッコいいもんな? ね? ゆりちゃん?」
わざとなのか煽ってくるおそ松さん。
もう、しょうがないんだから。
私は背伸びをすると、トド松先輩の耳元でそっと囁いた。
「先輩もカッコいいですよ?」
「ッ!!」
とたんにトド松先輩の顔が赤くなる。
私はそっと先輩から離れた。
「え……なに……ふたりってそういう関係!? いつの間に!? ねぇ、チョロさん! 部下同士が怪しい関係なのになんで注意しないの!? ねぇ!?」
おそ松さんが警部を揺さぶる。
チョロ松警部は煩わしそうにため息をついた。
「そういう話は今はいいから。時間がないから早く入ろう。問題は開けてもらうか、勝手に忍びこむか。トド松くん、どうする?」
トド松先輩はハッと表情を戻し、塀を見上げた。
「これから僕たちがしようとしていることが、イヤミさんにバレたら厄介な気がしますね」
「殺人犯が現場に戻ってきたなんて、見つかればすぐに通報されると思います」
私も頷いた。
「うん。なら、こっそり忍びこむしかないな。さいわい監視カメラはない。IDカードは僕が持っている」
チョロ松警部。
「もしかして俺も行くのぉ? だるいよぉ!」
おそ松さんがぶうっと頬を膨らませた。
「じゃあ、おそ松さんは外で待機していてください」
夜中だから守衛室には誰もいないようだ。
チョロ松警部が静かにIDカードをかざした。
「え!? 俺、マジでここで待ってんの!?」
「ああ、頼むよ、おそ松くん。僕たちは行ってくる」
私たちは音を立てないように中に入った。