《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第27章 トド松END〜警部補とわたし〜(※)
***
「ほ〜い、着きましたっ! ったく。おもしろい事件かと思って来てみたら、『余計なことは何もするな。なごませるな』ってひどくね!? なごませなかったら、俺の存在意義なくなっちゃうよ?」
運転席でブツクサ言っているのは、なごみ探偵のおそ松さん。
私たち3人は、おそ松さんの車でブラック工場の前まで来ていた。
「でも、おそ松さんが車で来てくれて助かりました」
降りながら声をかけると、おそ松さんはとたんに頬を緩めた。
「ほんと!? ゆりちゃんがそう言うなら、まあいっか〜! なあなあ、車で来た俺カッコいい?」
「カッコいいですよ〜」
「マジで!? んじゃ、これ終わったらホテルに行ってくれる? 車出したんだし、一発……いや、せめて胸だけでも揉ませて! な? な? な?」
トド松先輩がスッと私たちの間に割りこんだ。
「ゆりちゃんはそんなところには行かないから」
肩を引きよせられる。
「トド松先輩?」
見上げると、先輩は不機嫌そうに口を尖らせていた。
「ゆりちゃんも男に隙を見せないで」
「隙ってそんな……先輩、怒ってます?」
「別に。僕には関係ないけどね。おそ松さんと違ってカッコよくないし」
ムスッとしながら、先輩は私をさらに強く抱きよせた。
「もしかして先輩もカッコいいって言ってほしかったですか?」
「はあ!? 僕が!? まさか!」
明らかに言ってほしそう。
先輩って、あんがい子供っぽいところもあるんだ。
可愛い。