《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第24章 チョロ松END〜警部とわたし〜(※)
「なんだよ、このバカ刑事に惚れてるのか?」
「ちっ、違います!」
私は顔を逸した。
ごそごそと音がしている。
『ぴったりだ! ありがとう、にゃーちゃん!』
『どういたしましてにゃ。ねぇ、刑事さん、このあとはどうするにゃ?』
『そうだね、もう少し盗聴器を探そう』
警部、盗聴器は天井のライトです。
どうか気付いて!
場所が分かっているのに伝えられないのが、もどかしい。
もぞもぞと体を動かすと、きつく縛られたロープが肌に食い込んでくる。
『盗聴器を探すのもいいけど……こういうのもいいかなって……。刑事さんはどうにゃ……?』
甘えたようなにゃーちゃんの声が聞こえてきた。
『ど、どうって……にゃ、にゃーちゃん!?』
警部の慌てたような返事。
ん??
私は動くのをやめて、受信機に耳を傾けた。
『大丈夫。家ではいつもこんな感じにゃ……』
『大丈夫じゃないよ! だ、だめだよ! 見えてるから!』
『見せてるって言ったらどうするにゃ……?』
『にゃ、にゃーちゃん……!』
雲行きが怪しくなってきた。
二人は何をやってるの?
苛々しながらふと見ると、運転席の男も落ち着かない様子で爪を噛んでいる。
今だけはこの男の気持ちが分かるかも。