《おそ松さん》なごみ探偵・謎の仮面と洋館の幽霊(R18)
第24章 チョロ松END〜警部とわたし〜(※)
雑音と共に何か音が聞こえてくる。
『……洗ってくれてありがとにゃ……』
『……はぁーん! そんなのにゃーちゃんのためなら、いくらでもするよ〜!』
水が流れる音ともに、にゃーちゃんとチョロ松警部の声が聞こえる。
夕食後の皿洗いを警部がしているようだ。
「このハンディ受信機、小さくて便利だろ? 隣の家で作業しながらでもハッキリ聞こえるしさ。USBにも繋げられるし、優れものなんだぜ? ……って、どうせ警察も盗聴ばっかしてんだろ? 同じ機種使ってる?」
男が笑う。
「…………」
盗聴犯と一緒にされるなんて心外だ。
私は無言で男を睨んだ。
『……今日来てた刑事さんは、恋人にゃ?』
にゃーちゃんの声。
『まさか! ゆりくんは部下だよ、部下!』
警部が答える。
『でも、付き合ってるにゃ?』
『付き合ってないよ〜! 僕はにゃーちゃん一筋だよ!』
鼻の下を伸ばしてデレデレしている警部の姿が目に浮かぶ。
まあ、こんな会話をしているだろうとは思っていたから、別にいいけど……。
呆れながらも聞いていると、ガサガサと何か音が聞こえてきた。
『これ、旦那のパジャマだけど、よかったら着るにゃ?』
『え!? いいの?』
『大丈夫にゃ。着替えさせてあげるにゃ』
「は!?」
思わず声を上げると、運転席の男が振り返った。