第75章 HIDE AND SEEK(影山飛雄)
少しホッとして
バレー部が集まる体育館に
顔を出すと
一際目立つ
背の高い黒髪
暇があれば
目で追っていた
あの背中が
また目の前にある
「じゃあ、ここで見ててね
流れ弾には気を付けて」
『はい、ありがとう御座います』
清水先輩の声に
「布施!?」
影山くんの声が響いた
ぶつかった視線に
射竦められ
カチンと固まる身体
メッチャ睨んでる?
もしかして凄い迷惑だったとか!?
不機嫌な様子でオレンジの髪をした
男の子と言い争って
「影山、練習中に集中しなさいよ」
「あ、スンマセン…」
主将らしき人に怒られてる
再開された練習を
清水先輩の手伝いをしながら眺める
変わってない…
私が好きな影山くんだ…。
「…姫凪ちゃん、でいいかな?
影山と友達??」
『え!?あ、はい!
いや、いいえ…あの…
同じ中学ってだけで…
友達ってわけじゃ…』