第75章 HIDE AND SEEK(影山飛雄)
中学時代を知ってるって事は
バレーの話題が出るのも当たり前だ。
でも、私はまだ笑って話せない…。
「おい、布施…」
影山くんの声を
聞こえないフリして
私は足を進めた
その先は…
「あ、布施さん
来てくれてありがとう
マネージャー志望だったよね?」
三年の清水先輩のもと。
『は、はい…
役に立てるかは分かりませんが…
その…少しでもバレーに
携わってたいな、と…』
そう言いながらも
迷いが胸に渦巻いていた
バレーに携わっていたいのは
ウソじゃない
でも、まさか影山くんが
烏野に居るなんて…
もちろんイヤなんじゃない!
ただ…実らなかった初恋を
未練たらたらに引き摺ってしまうのが
目に見えてて
戸惑ってしまう。
歯切れの悪い私の声に
「…とりあえず
仮って事で
見学してみない?」
『え、良いんですか?』
「もちろん。
見てみないと合うかどうか
分からないでしょ、行きましょう」
清水先輩が優しく
声を掛けてくれた。