第74章 キミのトナリ オレのトナリ(及川徹)
「オイシイよ?
欲しくないのかなー?」
イタズラな笑みを浮かべて
早く言えと目で訴える徹と
恥ずかしくて言えない私
視線をぶつけ合って
負けたのは
『まだ徹のが…ナカに
居るみたいで…
動けないの…だから…
取ってよぉ…』
私。
手を伸ばして
訴えると
「…!!
取りたくない…」
まさかの発言
『チャント言ったのにっ
なん…で…?!』
噛み付こうとした唇が
冷たい唇で塞がれる
「なんで?
…飲ませてあげたくなったから?」
抵抗を忘れた身体を抱き締め
ジュースが口移しで
飲まされる
シュワシュワした液体が
喉を通って行く感覚と
柔らかい唇の感触で
頭がクラクラしてくる
こんな事されるのも
こんな感覚もハジメテで
戸惑いの方が大きいはずなのに
『…ぁ、ぅ…』
「オイシイ?
もっと、飲む?」
『うん…オイシイ
飲ませて…』
次が欲しくて堪らない
重なる唇流れて来る炭酸と
「可愛い…
姫凪…ズット好きだった
俺のトナリに居てくれて
ありがとう」
糖度たっぷりな
徹のセリフ