第73章 ♑瞳を閉じても②(赤葦京治)完結
近付く俺に
アッサリ姫凪さんを解放して
「良かったね、姫凪ちゃん
今度はチャント
迎えに来てくれたね
強引でゴメンネ?」
頭を撫でて
バイバイと小さく手を振る
なんだ意外とアッサリしてるなと
思ったのも束の間
「また今度
花巻と飲みに行こうな
ライブも来てね」
『え?飲み?
ライブ??』
「夜遊びはしばらく禁止なんで
よろしくどうぞ!」
油断もスキもない!
「イキナリ過保護になったな…」
「あかーしは元々かなりの
過保護だぞ
姫凪に関しては
姫凪も満更でもないっていうか
それに甘えまくってるっていうな」
「あ~ね。
それでこんなに
デレデレ嬉しそうな顔してるわけね
はぁーぁ!やってらんね!」
俺の腕の中で
ニヤける顔に
遅ればせながら気付いて
男たちを威嚇してた俺の頬が
緩んで行く
再び響く
二人の"やってらんねぇ"の声に
キュッと頬を引き締め
「そうじゃないと困るんで」
スカした顔で返してみせる