第73章 ♑瞳を閉じても②(赤葦京治)完結
一緒に居るのは
スピードも行動力も死ぬ程ある
木兎さんなんだから
今までの経験上
俺がハッとした時には
もう既に木兎さんに
良い所を持って行かれた後
…のはずなんですが?
「…」
まだ隣に居る?
「どうしたんですか?
車酔いでもしましたか?」
予想外の不動の木兎さんに
目を丸める俺に
「我慢して…イマス!!
キスしたし色々しかけたし
反省の意味をこーめーてぇぇえ…!」
顔と言葉が
これほど合わないのも珍しいと言える
悶絶を見せる
「…それもそうですね
では、そのままあと五分
我慢しましょうか」
「オニか!!」
「冗談ですよ
まず俺が我慢出来ません
行ってきます」
キスとかその他諸々が
気にならないと言ったら
嘘ですけど
今それはどうでも良い
「無駄な期待は
即座に叩き潰しますんで
無駄な労力は
お互いナシの方向で」
「お、今度はチャント
【京治(カレシ)】が来たじゃん
なら、止まるしかないなー」
兎にも角にも奪還最優先です。