第73章 ♑瞳を閉じても②(赤葦京治)完結
その声に不服そうに
俺を睨み
「姫凪もそう思うだろ?
…あれ?姫凪?」
ワシャワシャしてた頭を探すけど
「「どこ行った!?」」
小さい頭は気をそらした
一瞬で消えていた
二人して青くなった顔
ソワソワしながら辺りを見回す、と。
「ごめんな?
ちょっと意地悪が過ぎた…
可燃剤になるだけだと思いつつ
あわよくばで煽ったら
何かややこしくなっちゃって…」
存在薄くて忘れてたけど
もう一人居ましたね
混乱の元凶が。
『あぁ!もう大丈夫なんで
そんな顔しないでクダサイ!
そりゃ…病んだけど…
私も反省する所あったし
今はチャント仲直りもしたんで
結果オーライ…みたいな?』
「優し過ぎる…
無駄に期待したくなるんだけど…」
『はぃ!?
無駄な期待は止めて!』
「どうしよっかな~
姫凪ちゃんが可愛くて
諦めるのが悔しくなってきた」
シレッと姫凪さんの
肩なんか抱いて
無駄にイケてる顔とか
近付けて
ムカツクしかない
…って!悠長に観察してたら
また出遅れるじゃないか!