第73章 ♑瞳を閉じても②(赤葦京治)完結
「はい、とても。
距離おくって言った手前
連絡しずらくて…
しかも、勘違いで
メチャクチャ妬いてましたし…
我ながらガキが抜けてなくて
イヤになった
だから、木兎さんに奪い返されるとか
卑屈にも思ってしまっ…て」
情けなくて言いながら泣けて来て
言葉を詰まらす俺に
『…寂しかった…んだから!
本当は…距離なんか…嫌って
言いたかったのに…
私が妬いてた理由も…
チャント話したかった、のに…!
でも、話せなくて…
私も光太郎の部屋に
ノコノコついて行ったり
キス…されちゃったから
逢いたいとか
どの口が言うんだ…とか
思っちゃって…!
でも、でも…
逢いたかった…
ドアが開くの…待ってた…よ、京治…!』
ベットから起き上がった
姫凪さんが叫んで
手を伸ばす
伸ばされた手は記憶より白くて
細くて
顔色も凄く悪い
お世辞にも元気だったとは思えない
「姫凪さん、貴女って人は…」
『あ、あの…
凹んでたから、食欲はイマイチだったけど
そこまで体調は悪くない…』