第73章 ♑瞳を閉じても②(赤葦京治)完結
「…んまっ!」
「せやろ!?
俺と北さんの想い出の
オニギリやねんぞ
ありがたく食え!」
「え…怪しい関係…?」
「あほか!
俺の奥底に沈んでた
北さんへのリスペクトを
引きずり出した
想い出のオニギリなんや!
…まぁ、そんな冗談言えるなら
大丈夫ちゃうか?
あんま思い詰めんなや
赤葦が何を悩んでるか知らんけど
姫凪ちゃんやっけ?
あの子が何か悪い事する様には
見えへん…って、悪い
電話や…」
オニギリを頬張りながら
侑の話に頷き
モヤモヤごと飲み込もうとしてた
俺の耳に
「もしもーし、木兎クン?
おん、レポートも終わったし
…そうそう!赤葦大先生のおかげで!
せやし今日は練習出られる…え?
赤葦?目の前に居るけど…
赤葦、木兎クンが変われやって
なんやねん
直接掛けたらエエやんなー」
飛び込んで来た
今は一番聞きたく無かった名前
ブツブツ言う侑から
電話を受け取る
〈赤葦…話があんだけど
今日ヒマか?〉