第73章 ♑瞳を閉じても②(赤葦京治)完結
「送らなくて良いからな!
そんな暇ねぇだろ!
サッサと追い掛けて
エロい事しやがれ!
エロ姫凪めーーー!」
声が掠れてる
大きさのせいじゃなくて
『光太郎…ゴメン…ね』
「謝んなよ
オマエは悪くない
チョット弱ってただけじゃん
それに乗っかろうとし過ぎた
俺が悪かった…罰が当たった…的な!?
…だから、謝んなよ。
ゴメンな?
赤葦の前で否定してやれなくて
あわよくば…とか
カッコ悪いこと考えちまった
また俺からも赤葦にチャント話すから
…頑張れ…よ?」
涙のせい、だよね
何度も謝るなと言って
その倍ゴメンと言って
扉は閉まった
まだフラフラな足腰を
必死に起こして
携帯に手を伸ばす
何度掛けても繋がらないまま
身支度は整った
後は足を踏み出すだけ
『…ビビってる場合じゃない
今じゃなきゃ…終わっちゃう』
震える足を叩いて部屋を出て
『…ご主人様の所に帰ろうね?』
置き去りにされた
京治用の合鍵で鍵を閉める