第73章 ♑瞳を閉じても②（赤葦京治）完結

私の声に大きく溜息を吐き出し

「あぁ！クソッ！
敵わねぇー！！」

大袈裟に叫んで
大きなベットに一人でダイブして
シーツを乱す

『こらこら。
後が大変だから
暴れないでよ
私は京治を追い掛けないとだから
今日は…』

「…分かってる」

そう言いながらも
まだベットの上で
ゴロゴロ帰りたくない
アピールをする光太郎

「別に今日じゃなくて良くね？
時間も遅いしよー…」

私に向けてる背中は言ってる
"行くな"って。
"怖いくせに"って。

確かに怖いし
すぐ仲直り出来ないかも知れない
もしかしたら逢っても
貰えないかも知れないんだけど

『早く寝る為にも
連れて帰って来るよ！
ここで寝るんだから
汚くしないでよ、光太郎！』

今行かなきゃきっと
ずっとこの部屋に
京治が戻って来ない気がして

そっちの方が、怖いの。

「…鬼か！！
セックスする宣言とか！！
マジでムカつく！」

ピョンと飛び起きた光太郎が
私に顔を見せないように
玄関まで走る