第73章 ♑瞳を閉じても②（赤葦京治）完結

じゃあ、京治は？
なんで手を繋がないんだろう

もしかして
私と同じ理由…？

「姫凪さん
昨日…は…忙しかったんですか？」

頭を揺らす京治の質問に

『え？あぁ…アキラさんがね
息抜きにって
なんかライブのチケットをくれて
それにマッキーと行って…』

なんとか嘘をつかずに
応えていたけど

「そうですか。
じゃあ、それで遅かった…？」

『う…ん。
盛り上がっちゃって…
ごめんね？
京治は？昨日どうしてたの？』

結局最後は
嘘ついちゃうし
話逸らしちゃうし
私って…最低…。

「俺は宮侑にレポートの
手伝いを頼まれてしまって
大変でしたよ」

『そうだったんだ
それは疲れちゃうね』

自分から聞いたくせに
気のない返事をして
また足を前に進める

「姫凪さん程では
ありませんよ」

京治の言葉一つ一つが痛い
責められてる様に
聞こえるのは
私が気にし過ぎてるだけ…かな？

『…そう、かな』

「そうですよ」