第73章 ♑瞳を閉じても②（赤葦京治）完結

柔らかい感触は
擽ったくて身体が震える

たまに光太郎の髪の毛から
落ちてくる水滴に
驚いて上げてしまう視線
瞳の中イッパイに映る

「どうした？
嫌がんねぇの？」

色気たっぷりな光太郎

『イヤ…だ…』

思わず見とれてしまった事を
隠すように
唇を動かすけど

「嫌な顔してねぇじゃん
てか。その顔ヤメロ、つったのに
…クソ…なんでそんなに
可愛いんだよ…マジで


…ゴメン、な？」

やっと動かした唇は

『んっ、ﾝん！』

「やべ…久々過ぎて止まんね…
姫凪…好きだ」

光太郎に深く優しく

塞がれた

キス…しちゃった？
私……光太郎…と。

深いキスから解放されても
拒否の言葉は
喉を震わせてられなくて

放心状態が続く

「…姫凪、俺と
もう一回…やり直さねぇ？
泣かさないから…さ」

駄目でしょ、そんなの
私は京治が好きで
あの時も京治を選んで
光太郎とは友達に戻ったのに…

なんで？
なんでよ…

喉も身体も時を止めたまま。