第73章 ♑瞳を閉じても②(赤葦京治)完結
「姫凪に泣かれると
俺が弱いって
知ってんだろ!
マジで今更泣くなよ、バーカ…」
付き合ってる時も
別れてからも変わらない
私を一番に考えてると
隠す事なく伝えて来る光太郎に
『どっちが…バカよ
帰してよ』
「帰さねぇ。
家来いよ
AVだらけの
散らかった部屋だけど
思いっ切り吐き出させてやるから」
『…AVは片付けなさい。
連れ込んだ女の子に
引かれても知らないから』
寄り掛かりたくなる気持ちが
膨らんでしまう
だめなのに
「連れ込まねぇから
引かれねぇって
お前も今更
俺の部屋にAVあっても
引かねえだろ?」
『うん、引かないね
光太郎って感じ』
「それも嫌だな!
…まぁ、散乱したAVで
抜きまくってるから安心して
付いて来い
夜景の灯りも落ち着くけど
家の明かりも落ち着くと思うからさ
お前一人で帰したら
絶対暗い部屋で膝抱えて
泣きそうだしな」
『…うん、そうだね
多分、そうなってた』
抵抗して押し返してた腕の中で
大人しくしてしまう