第73章 ♑瞳を閉じても②（赤葦京治）完結

「…多分、東京のどっかだと
思うんだ…」

『そりゃね！
少し前まで東京のど真ん中に
ガッツリ居ましたから！
とりあえず周りの景色とか
見てみよう！
なんか分かるかも…！』

ションボリ応える光太郎に怒鳴って
勢い良く車を飛び降りる

嫌な予感は当たると
相場は決まってる…と
思ってたのに

『え？なに、ここ！』

今日はヤッパリ
何かが違うみたい

「キレイだろ！
この前、ツムツムが
こっち来た時に
アチコチ引き摺り回してて
たまたま見つけたんだ！
オマエこういうの好きじゃん？
いつか、連れて来ようって
思ってたから」

目の前に広がっていたのは
綺麗な夜景
月に乗っかって
星を見下ろしてるみたいで
自然と顔が綻んで来る

「…本当はさ
満点の星空を見せたかったんだけどさ
さすがに時間が足りねぇから
今日はこれで勘弁な？」

光太郎の声に驚いて顔をあげる

『光太郎、覚えてたの？
私が星空が好きな事…』

話した事はある
でも、そんなの付き合い立てに
ほんの少しだけだったのに？