第72章 ♑瞳を閉じても（赤葦京治）

『…エッチ！
また抱き潰す気なの！？』

「抱かれない気なんですか？
抱かれたくない？」

『…そんなわけないじゃん
ヤキモチ妬いてるから
離してあげないもん』

「ヤキモチ妬かれる様な事
してませんよ
昼間のアレだって
向こうが勝手に押し掛けて来た
だけなんですから
俺の瞳には
姫凪さんだけ映す仕様に
なってるんですからね」

『し、知ってるわよ、そんなの！
…まさかの組み合わせだったから
ビックリしただけだし』

照れた顔に少しホッとして

「俺もビックリしましたよ
イキナリ宮侑に巻き込まれ
北さんに見放され…」

昼間の経緯を歩きながら話す

「一緒に入ります？お風呂」

『駄目！
今日は私がご飯作って
待ってたいの！
だから京治が先に入って来て？
昼間の、かな？
香水の香りまだ少し残ってるよ』

「姫凪さんが
上書きしてくれたら良いのに
…まぁ、ご飯の前に
潰れたら大変ですもんね
では、今日はお言葉に甘えてお先に」

『ユックリね！
ご飯気合い入れて作るから！』