第72章 ♑瞳を閉じても(赤葦京治)
嫌がる宮侑を振り切り
席に戻…らなきゃ良かった。
「俺にはやっぱり姫凪しか
だめな気がするー!
姫凪に会わせろ、あかーーしぃぃ!」
「姫凪って元カノ?
え?赤葦くんの今カノなの?
なになに?複雑過ぎない?!」
「赤葦が俺の姫凪を
手篭めにしたんだー!
エロい事イッパイ仕込んで…うぅ…」
「木兎くん可哀想…」
「赤葦くんって凄いお盛んなんだね…
淡白に見えて絶倫?」
俺にとってプラスは
ひとつもないどころか
マイナスに振り切ってる
「宮侑。
木兎さんどんなペースで飲んだ?」
「分からへん。
いつの間にかグラスが
エライ事になっとった」
「見とけよ!
今、メインでコンビ組んでるは
そっちだろ!
姫凪さんの事を
話し出すと…」
ロクな事がない
俺がとことんイジメられる
…くらいで済むなら
大した事はないんですが
問題なのは
「木兎くん
私が慰めてあげるよ?
ねぇ、この後家にこない?」
「嫌だ!姫凪に会うんだ!
会うまで家になんか帰らねぇぞ赤葦!」
こうなる事なんだ。