第72章 ♑瞳を閉じても(赤葦京治)
いや、無理とか言ってる場合じゃ
ないんですが…
「赤葦くん
飲み物空だよ?
頼んであげる!
何飲んでたの?」
「…梅酒ソーダ割りで」
「じゃあ私もそれにしよ!
ツムくんは?」
「自分で頼むからエエわ」
この突き放しが
出来そうにない自分は
「とりあえず同じ物にすれば?
ハイボール頼んであげて」
とりあえずで場を取り繕って
「うん!赤葦くん
やっさしー!」
「そうでもないです」
「これがデフォって事?!
益々タイプなんだけど」
自己嫌悪と負のループが止まらない
上辺だけ盛り上がる席に耐えきれず
トイレへ避難すると
[ごめん、少し遅くなる
なるべく早く帰るからね!]
こっそり持ち出した携帯に浮かぶ
テンションだだ下がりなメッセージ
[俺も木兎さんに捕まったので
少し遅くなるから
お構い無く
遅くなるなら迎えに行きますか?]
スグ付いた既読と
[ありがとう
でも、大丈夫だよ
気持ちだけ貰っとく!
光太郎に宜しくね!]
予想通りの返信