第72章 ♑瞳を閉じても(赤葦京治)
「花巻さん風邪ですか?」
『みたいだね。
声ガラガラだったし
熱も少しあるみたいで
明日宜しくって電話だった』
アクビをしながら
携帯を元の位置に戻して
『明日ハードになりそうだなー…
足が棒になりそう
体力温存しとかないとー…』
俺の隣に潜り込み
グリグリと頭を擦り付けてくる
「体力温存する気ないでしょう?
襲ってって言ってるみたいですよ」
身体を引き寄せ
まだ肌色全開の背中を
指でなぞると
『違います~!
これ以上したら多分明日死ぬから
名残を惜しんでるんです~!』
幼い笑い声を部屋に響かせ
少女の様な口付けを送ってくる
本当に可愛いな、この人は。
余計に離したくなくなるんですが
ここはね?
「なら、俺もしようかな…
離れたくない~…なんて、ね?」
我慢するのがオトナでしょ?
満たされて余裕が出来た心
ふざけて甘えてみせて
「身体だけ流して寝ましょうか?」
ゆっくりベットから離れる
『はーい!
今日京治が作ってくれた
ご飯の残りがあるから
明日の朝も豪華だし
早く寝てイッパイ食べて
一緒に出ようね!』