第72章 ♑瞳を閉じても(赤葦京治)
分かってますよ
あの人は【悪】じゃない
だって…
「…でしょうね。
正義感が強くて
ドストートで裏表なさそうですから」
「なんか俺みてぇな!」
そう、あの人は
木兎さんに似てる。
だからこそ怖くて仕方ないんだ
だからこそ
もう逢いたくない
距離を縮める選択肢を潰したい
「無視止めて!
…って、なんかはしゃぐ感じじゃねぇ?
姫凪寝かせたら
お前も寝ろよ、赤葦
ツムツムに聞いたけど
なんか疲れてんだって?」
「別に普通ですよ
姫凪さん抱いて寝れば
回復しますから」
「シレッと自慢か!赤葦!
俺も姫凪のおっぱい枕で
寝たいなー…片乳貸して…」
「はぁ?」
「…スマン…冗談が過ぎた」
「聞こえなかった事にするので
大丈夫です」
相変わらずの掛け合いなのに
すぐ近くに姫凪さんの
香りもあるのに
落ち着かないのは
「つーか姫凪、相当疲れてんのな
なんな盛られたんじゃねぇかって
思うくらい起きねぇな」
その原因が俺だから