第72章 ♑瞳を閉じても（赤葦京治）

なにより明らかに

「イメージよりも普通～」

敵意しかないのがイラッと来る

でも完徹明け
しかもこの後ハードな予定を控えた私は
グッと堪えるしかない

揉めて騒ぎになっても困るし…って
私も丸くなったもんだわ

イライラしてる気持ちを必死に
抑え込む私に
目の前の女狐が勢い付きそうになった
その時

「今度は赤葦狙っとるん？
節操ないなー
この前は治やったやん
てっきり次は俺やと思ってたんやけど」

低い声が重い空気を裂き

「あんまり軽い尻してたら
後で後悔すんで
痛い目見る前に退散しときや？
次は優しく教えたらへんよ」

「でしゃばりか！
普通に挨拶しただけでしょ！
気分悪っ」

「喧しな。
もっと気分悪してるんは
こっちの姫さんやろがい
余裕こいて男漁りしとったら単位落とすで」

物腰とはかけ離れた黒いオーラで
女狐を追い払う侑くん

ありがたいけど…なんで？
昨日殆ど話してないんだけど…

関西の人は
コミュ力あるとは聞いてたけど
京治の彼女ってだけで
ここまで動いてくれるもんかしら？？