第70章 咲く恋、散る恋、芽吹く恋⑥(宮侑 治)
「サクラ~…もう寝たん?」
小さく揺れる肩を抱き
俺の匂いに染まった身体を
撫でては唇を落とすけど
「…」
反応はない。
「…無茶したもんな…」
頭を撫でてゴミ箱に溜まった
ティッシュの山に目をやり
ヤリ過ぎた事を反省しつつ
またサクラを見つめる
静かになった部屋
返ってこない声で
ポツンとした心は
熱くなりすぎた身体と頭を冷やして行く
「サクラ…ゴメンな。
チャント…話すから…」
こんだけ盛っといて
昼間姫凪に揺れるとか
ホンマ俺なにしとるんやろな
ヤる前に話しといたら良かった
正直に話して
謝ったといたら良かった
姫凪に何があったか言わんでも
俺自身の心の事やったら
話せたはずやのに…
「サクラ…」
ごめんな?
頭より身体が先に動いてもうて
動いたら止まられへんくらい
お前が好きで
「…好き…やで。」
起きたらチャント話すから
今度は先に頭動かすから
側に居って?