第68章 咲く恋、散る恋、芽吹く恋④(宮侑 治)
"あほか"って怒鳴る姫凪を
笑って一緒に部屋に進む
出て来たアイスコーヒーに
口をつけて
背を向け目元を冷やす姫凪に
ムクムク膨らむイタズラ心と下心
「姫凪ちゃーん?
腫れ引いたか確認したろか?」
後ろから抱き締め
目が隠れて無防備な耳に声を落とす
『ひゃあ!何す…ンッ!』
「声かけてるだけやん?
なんちゅー声出しとるん?
堅いくせにエッチなんやなぁ…
またこんな事されると思ってたん?
アホやなぁ…」
さっきと同じ様に耳に噛みつき
首筋に唇を這わせて
目元を押さえてるタオルを
奪ってまだ少し腫れた目を見据える
ここや、絶対。
ここでシッカリ言わな
進んだらアカンやろ。