第66章 咲く恋、散る恋、芽吹く恋②(宮侑、宮治)
『お、おん…いや…ちゃうけど…』
近付く匂いに震えてしまう
覗き込もうとして来る顔に
笑顔が引きつってる気がする
そんな私に治くんが気付かないわけはなく
困った様に眉を顰めて
小さくため息を吐いた
それを掻き消すかのように
「どっちやねん!
てゆっかサボりよって
益々成績急降下ちゃうん?」
侑の喧しいくらいの声が重なった
顔を上げると
ニヤニヤ笑ってる侑の顔
いつもはムカつくのに
『侑に言われたないわ!』
「この前の実力テスト
俺のが良かったし」
『3点だけやろ!』
自然と声が唇を零れ落ちてくる