第66章 咲く恋、散る恋、芽吹く恋②(宮侑、宮治)
「それでも負けは負けやろがぃ!」
侑がグイッと腕を引き
「そう言えば、負けたらジュース
奢りやなかったか?
奢ってもらってへんで!
治!借りるでー!」
私を治くんから引き離す
奢り?なんの事?
ハテナを浮かべる私を無視して
ズンズン進む侑
『ちょお、侑?
奢るとか約束したっけ??
どないしたん』
切れる息で話掛けると
「どないした?は、お前や。」
侑がピタリと立ち止まる
『え?な、に?』
真剣な顔して似合わん、とか
お節介止めてや、とか
そんな言葉が全部喉に落ちていく