第66章 咲く恋、散る恋、芽吹く恋②(宮侑、宮治)
「なぁ?なんか言えや」
重く開いた瞼の奥の
冷たく視線
『…ごめん…まだ眠い…から』
「寝過ぎやろ…今日ずっと
寝とったんやろ?
LINE返す事も出来へんくらい
爆睡やったんやろ?
それとも既読スルーか?
なぁ?俺がなんかした?」
グイッと身体が半分部屋に入り
「応えや。
俺の何が…って…え?」
全部入り切った所で
治くんの顔が険しくなる
『治くん…?』
「姫凪…」
ギリッと歯を噛む音が聞こえる様な
表情は一瞬見えて
『きゃ…っ!』
視界から消えた