第66章 咲く恋、散る恋、芽吹く恋②(宮侑、宮治)
寝るに寝れない
グルグル頭を巡る想いに
涙がポロポロ出る
『サクラ…ゴメン』
吐き出す言葉に返ってくるのは
部屋の時計の音だけ
いつもなら帰ってくる時間を針が過ぎて
更に寂しさが増して苦しくなった時
「姫凪!ただいま!
晩御飯もう食べてもうたー?」
サクラの声が遠くで聞こえた
『サクラ…!
げっ…やばい
声、死んでへん?』
喉の痛みはないから
油断してたけど
バレるんちゃう?
また心配かけてまうやん
「姫凪ー?聞いとる?」
あかん!なんか話さな!!