第66章 咲く恋、散る恋、芽吹く恋②(宮侑、宮治)
『おん、食べた…』
枯れた声を必死に隠してながら
絞り出す返事
「そうなん?侑くんが
お好み買うてくれたん
食べへん?美味しかったよ」
部屋の前に近付いてくる
サクラの足音に
ビクビクする
「姫凪、入るで?」
あかん!
いや、拒否ったら
余計怪しい!?
どないしょ!
なんか…ない!?
ドアが開く寸前
枕元のゲーム機を手に納め
あたかもやってました感を
醸し出し
「姫凪、あんな?」
『なん?ゲームしてんやけど?』
視線を真っ暗な画面に向けて
サクラに応える