第58章 ♑瞳に酔う（赤葦京治）生誕記念　完結

嘘って言っちゃったよ、この人…

「いや、姫凪さんには
姫凪さんの時間や予定が
ありますから
お気遣いなく…
本当大丈夫ですから」

「せやかて…
赤葦寂しそうやん…
そんなションボリしてたら…」

さっきのドヤ顔から一変
心配そうな表情に
ガラにもなくジンと来て…

「いじりがいないやんか。」

損した。

「俺をイジメに来たんですか？
可愛い後輩で遊ばないで下さい。
早く戻らないと黒尾さんに
お仕置きされますよ」

「え！？お仕置き！？
いや、それはそれで
まぁまぁ、オイシイ…って！
なんでやねん！」

「…一人で楽しまないで下さいよ。
とにかく、この後迎えに行って
チャント充電予定なんで
大丈夫です。
戻りましょう」

騒がしいアイさんに
少し晴れた胸のモヤ

感謝の言葉を言うのは
なんとなくシャクだから
今日のメシ代は俺が持とうと
小さく心に決めた