第58章 ♑瞳に酔う（赤葦京治）生誕記念　完結

「赤葦！飯行こうぜ！！」

「え？いや…俺は姫凪さんと…」

「姫凪も一緒で良いじゃん？
むしろ俺も会いてぇし！
よーし！電話しろ！赤葦！」

しくじった。
こうなる事は予測出来たはずなのに
なんで姫凪さんの
名前を出してしまったんだろう…

「ついでに黒尾くんの所も
誘おうぜ？
むしろ同棲中の新居におしかける？！」

もはや止める事は不可能で
仕方なく姫凪さんの
電話を鳴らす

「…あ、姫凪さん？
終わりましたか？
今木兎さんと…」

〈光太郎と？
あぁ、ご飯食べに行くの？
ちょうど良かった！
私、学校の友達と居残りで
遅くなりそうだったのよ〉

「え…あぁ…そうなんですか…」

一緒に、と続けたかった言葉は
先に聞こえてきた
姫凪さんの予定に
行き場を失くし

「気を付けて下さいね。
帰り迎えに行きますから
連絡して下さい、ね？」

小さな約束を取り付ける