第58章 ♑瞳に酔う(赤葦京治)生誕記念 完結
「赤葦~!
久しぶり~!どうだ?
キャプテンは板についたか!?」
「昨日ぶりです、木兎さん。
そんなに急に変わりませんよ
とりあえず一年からは
嫌われてはいないつもりですけど」
「ふーん?
ま、いいや!
とりあえず練習手伝うぞー!
その内、木葉も来ンだろ!
おーい!お前ら!ブロック飛べー!」
「「「はい!木兎さん!!」」」
卒業して数ヶ月
俺が主将に慣れるより早く
一年はスッカリ木兎さんに
懐いていてるのは
まぁ、ヨシとして。
「大学生って暇なんですか?」
頻繁に訪れる木兎さんと
どうしても比較してしまうんですよ
あの人と。
「あ~!赤葦!さては
姫凪が忙しいから
拗ねてんだろー!」
「…いや、別に…」
別にじゃない。
図星だった。
俺より先に卒業して
今は美容師の勉強をしてる
姫凪さんは
同じく学校には通ってるけど
全く梟谷排球部に顔を出さない
「そういや、この前
駅前で会ったけど
カナリ疲れて痩せてた気がする…
赤葦チャント食わせてっかー?
ヤッてばっかだと倒れんぞー!」
「ヤッてばっかなわけないでしょう
なかなか会えなくて
独り身みたいな生活…って。
俺の事は良いですよ
練習再開しますよ」
思い出した寂しさを
必死に押し殺し
コートに入る
今日の夜にでも
家に行ってみようか。
そんな事を考え寂しさを紛らわし
練習に精を出した