第23章 水色の思い出 (逆ハー)
「さってと。んじゃ俺もキレーなねーちゃん侍らせてくるわ」
「貴様はそれしか能がないからな」
「パッと見なかなか良いのいねーみたいでさあ…楽しみにしてたのに」
「死ね」
ダンテは日に焼けるのも構わず家からずっと水着姿だった。
家にいてもよく上半身裸でいるので、あんまり違和感がない。ただ目のやり場に困るのは同じで、はそっと目を逸らした。
逸らした先で、トリッシュがナンパ男を平手打ちしているのを目撃。
男達の無事を祈る。
「は行かなくていいのか?」
「ん…うん。手伝ってる」
が目を逸らしている間にダンテはどこかへ行ったらしい。
バージルが荷物を置き、ビーチパラソルを砂浜に突き刺した。
彼はというと、水着を着ているのか問いたくなる程普通に普段着を着ていた。
水色の長袖シャツに少しゆったりめのパンツ。服を着ていてもわかる抜群のスタイル。
ダンテはしょっちゅう水着姿に似たような感じで家をうろついているが、バージルの水着姿は初めて見る。
想像もできなくて少しドキドキして、それを何とか誤魔化そうとはバージルを手伝った。
荷物の中からビニールシートを取り出し、砂浜に敷く。
「荷物、ここに置いたままで大丈夫かな?」
「大丈夫だろう。盗まれるほど高級なものもあるまい」
貴重品は車に置いてきた。は頷いて、海に視線を投げる。
ナンパ男は消え、レディとトリッシュは海に入って何か話をしていた。