• テキストサイズ

イケメン戦国 ー とおまわり ー

第13章 離れる【光秀編】




「信長様、隣の座敷の支度が整いました」

「そうか、ならばそちらを先にはじめるか」

「おおせのままに」


一之助の言葉を受け、御館様が座敷を見渡す。皆の背筋が延びる。


「光秀の絵を披露する前に、ことね、貴様の絵も描いてもらえ。見知った男と女の絵を並べるのもよいだろう。本物を前にひいろの腕前も良く分かるからな」


御館様の言葉にことねとひいろの表情が固くなる。


「隣の座敷に用意をさせた。すぐに取りかかれ」


一瞬間をおき、ひいろが頭を下げる。


「承知いたしました。姫様の絵を描かせて頂きます」


そう言うとことねへと向き直り、固い表情のまま頭を下げる。


「姫様、信長様からの命にございます。どうぞ隣の座敷にて絵を描かせて下さい」

「えっ、あっ、あの、……はい」


ことねは驚いた顔で座敷を見渡し、御館様の顔を見て観念したように返事をする。
返事を受け一之助がことねを隣の座敷へと導き、その後をひいろが固い表情のまま続き、座敷の中へと消えていった。


/ 382ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp