第19章 偵察
黄瀬は空を見ながら言った。
「俺に告ってきた女の子はみんな、俺の顔が好き。とか、明るいところが好き。とか、数日見てたらわかるようなとこばっかり、一目惚れと同じような感じで…女の子なんて、みんな同じだと思ってた。」
「…」
「だから俺、中学の時、菜月っちが俺を1軍に連れて行ってくれようとしていたマネージャーってこと知らなくて、また告白してくる女の子か~とか思って…。」
「涼太の第一印象は最悪だった。」
「ははっ!そう思われてもしょうがないッスわ。でも今は?俺のこと好き?」
私の顔を見て黄瀬は言った。その目は、いつにも増して真剣だった。
「うん。好き!」
「!…意味が違ってても菜月っちの破壊力やべぇ…///////」
一旦、私から顔をそらした。
「…?」
「っ…そういうとこッス。」
「え?」
「届きそうで届かない。きっと、俺には…届かない…。」
「…届い…てるよ?ほら。」
私は黄瀬の手を握った。
「!…はははっ!!ほ~んと、心配になってきちゃうッスわ。その鈍感さには。」
「え?」
「…まぁいいッスわ。とにかく、俺は他の女の子より、菜月っちのことめっちゃ大事に思ってるんスよ?」
「あ、ありがとう?」
「なんで疑問形なんスか…!」
今日の黄瀬はよく笑っていた。
私は黄瀬から離れようとした。
「ん、ダメ。もうちょっとだけ…こうさせて…。」
「…」
「ガードが誰もいないなんて…今しかないかもしれないから…。」
そう言い、黄瀬は私の肩に顔をうずめた。