第14章 ここからが本番
「けど、もう1段階、上があります。」
「黒子君の新しいパス?」
「なんで今まで黙ってたんだ。」
「取れる人が限られてるんです。」
「!…」(そうだ…それだ…。あの時は…青峰君が…。)
「でも、今の火神君なら、取れるかもしれません。」
「…」
「ただ、パスが火神君だけでは、最後までもちません。やはり、高尾君のマークを外して、通常のパスも必要です。」
「けど、もういけんじゃね?」
伊月が言った。
「俺の目もつられそうだし。」
「ん…?どういう意味だ?」
小金井が聞いた。すると黒子はわかったのか、口角を上げた。
すると、ブザーが鳴った。
「ラスト、お前も取り行けよ。」
日向が歩いている伊月に言った。
「おう!」
「先輩。」
「あ?」
「さっきは、その…すみません…。」
火神が謝っていた。
「ん?あぁ、気にすんな。」
「!…」
「と言いたいところだが。さすがにあの口の利き方はねぇ…。」
「うっ…!」
「あとでしばく。」
「おい…入っちゃってるよ…日向…。」
「まあ、それはあとな。泣いても笑っても、あと10分だ。行くぜ!」
日向が言った。
「…火神君…。」
「あ?どうした?」
「…あの……が、頑張って…。」
「!…おう、任せとけ!」
私の頭をガシガシ撫でた。
「第4クォーター、始めます!」
試合が始まった。日向から火神にパスがいく。そして火神が水戸部にパスを出した。水戸部のシュートが決まった。