• テキストサイズ

彼女はキセキの特別 【黒子のバスケ】

第14章 ここからが本番


『!…』

「!…」


皆、驚いていた。もちろん、私も。

ベンチの後ろに倒れる火神。


「黒子君…!」


倒れたまま黒子を見つめている火神。でもすぐに表情は怒りに変わった。


「クソ…!黒子てめぇ…!」


黒子の胸ぐらを掴んだ火神。


「バスケは1人でやるものじゃないでしょ。」

「みんな仲良く頑張りゃ、負けてもいいのかよ。勝たなきゃなんの意味もねぇよ!」

「1人で勝っても、意味なんかないだろ。」

「!…」


黒子のその言葉を聞いたとき、私は改めて思った。


「…」(テツ君に付いてきて、良かった…。)


泣いてしまいそうだった。


「キセキの世代倒すって言ってたのに、彼らと同じ考えでどうすんだ。」

「…黒子…。」

「今の、お互いを信頼できない状態で、仮に秀徳を倒せたとしても、きっと誰も嬉しくないです。」

「っ…甘っちょろいこと言ってんなよ!!」


火神も黒子の頬を殴り返した。黒子は床に尻もちを付いた。


「そんなん、勝てなきゃただの綺麗事だろうが!」

「…じゃあ…勝利ってなんですか…?」

「!…」

「試合終了したとき、どんなに相手より多く点を取っていても、嬉しくなければ、それは勝利じゃない。」

「っ…。」


静まり返る場。口を開いたのは小金井だった。


「そうそう。別に負けたいわけじゃないって。」

「ただ1人で気張ることはねぇってことだよ。」

「つか、なんか異論、あるか?」

「異論とか…別に…いや……悪かった…。」

「…」

「勝ったとき、嬉しい方が良いに決まってら。」


皆が微笑んだ。


「さてと、黒子のおかげで火神の頭が冷えたのは良いとして、ピンチは変わってねぇけど、どうする?」


今のところ、47対61。

すると、黒子が立ち上がった。


「すみません、1つ、今なら使えるかもしれません。僕に出来るのは、ボールを回すことだけです。」


そう言い、Tシャツを脱いだ黒子。
/ 380ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp