第2章 仲間
鯰尾「あーるじさん。俺も頑張ったんですよー?」
「鯰尾っ……ありがとうね。ごめんね二人とも。私が頑張らなきゃなのに長谷部さんの手入れを終えたら寝ちゃって」
鯰尾「それはいいんですけどー。とりあえず集められる人は集めたんですが……重傷の人はここには一応いません。中傷と軽傷ばかりなんでお願いできますか?」
「あー……うん。半信半疑の人が大半だろうから、ちょっと怖いけどね」
部屋に入る前に感じた殺気。
気のせいと思いたいけど、そう思えないんだよね……。
とりあえず、刀の顔と名前を覚えるためにもこの長い机を見回ろう。
鯰尾「一人で大丈夫ですか?」
「守られてばかりだと情けないから、一人で頑張ってくる。もし血肉になったら……その辺りに捨てて」
鯰尾「わー、ずいぶんグロッキーなこと言いますね。わかりました挽き肉になったとしてもその辺りに埋めておきます」
埋められるんだ……。
鯰尾に敬礼してから私はまず最初の机に向かった。
燭台切「主……大丈夫かい?」
「うん、大丈夫」
格好つけたいところではあったが怖かったのでまずは知ってる人達と話してからだ。
同じ挨拶するならお酒でも飲ませておけば……いや、この本丸に都合よくあるわけないか。
酒の席だとフレンドリーになるかも、なんて考えはしたがお酒を買う前に畳や障子代だけで諭吉が消えそう。
ここはリアルマネーとはちょっと違う形式みたいだけど。
「えっと、鶴丸さんに大倶利伽羅さんに……一期一振、さん」
三人は私に名を呼ばれて、こちらを見てきたが殺気はない、ような感じはするが……はっきりないと言えないのは少しばかり殺気とは違うような何かを感じるからだ。
でも一応、殺気は感じられないのでそこは安心。