第2章 仲間
蛍丸「ここだよ」
「うわぁ、めっちゃ緊張してきた」
襖の向こうに感じる気配。
それにどことなく殺気も感じられて落ち着かなかった。
襖を開けたらぐさり、なんて嫌だなと思いながらそっと開けると……
たくさんの目が一斉に私の姿をとらえた。
泣きそう。
「は、はじめまして審神者としてこの本丸にお邪魔させていただくこととなりました幸村なつみと申します!なんだよこいつと思われるかたもおられるかと思いますがあなた方のため一生懸命幸せにしてあげられるよう、頑張らせていただきますのでよろしくお願いします」
襖を思いっきり開けてからそう言って頭を下げる。
いろんな人たちがいた。
軽くみんなの顔を見たくらいなので感情までは読み取れず、初めて大声をあげたためにいろいろと恥ずかしくて怖くて半泣き状態になる私。
頭もあげられずにいると小さな拍手が聞こえゆっくりと頭をあげると優しく微笑んでくれている燭台切さんを見つけてほっとしたところ、一つ二つと拍手をしてくれる人が増えてすぐにその拍手は大きなものとなる。
加州「主!」
「清光っ……わっ!」
いきなり抱きつかれると予想もしてなかったので後ろに倒れて尻餅をついてしまった。
頭上から長谷部さんが怒っているような声が聞こえてくるが清光は構わず私にぎゅぅっとしがみついて泣きながら話してくれた。
もう、なにいってるかわからないけど。
頑張った、みんなに主の良さを話した、わかってもらえた人もいたと一度にいろいろ言うものだから少し驚いたが清光が頑張ってくれたのがわかって私も清光を抱き締めながら頭を撫でてあげた。
本当に……うちの、清光は泣き虫さんだ。