第2章 仲間
「改めて、おはようございます。長谷部さん」
長谷部「あ……お、おはようございます!」
起きてから、おはよう……なんて挨拶したのは何年ぶりだろう。
家で言ったところで返ってくる言葉もなければ誰もいないことが普通だったので朝の挨拶なんて……
「おはようございます」
長谷部「……おはようございます」
「……うん……うん、おはようっ!」
些細なことなのに、おはようと言っておはようと返ってくるのがすごく嬉しい。
どうしよう……むずむずするというか、とにかく嬉しくて無性に何かしたい。
「よし、とりあえず今日も頑張りますか」
長谷部「俺もお供します!」
「では、お願いします。長谷部さんは傷を負った刀のことを誰かご存知ですか?」
長谷部「………………ま、待ってくださいね!すぐに思い出します」
「あー、大丈夫ですよ。長谷部さんは動けなくなるほどの重傷だったんですから他の人に構っていられないのは仕方ないので……本丸の中を歩きながら探しましょうか」
長谷部「くっ……申し訳ありません」
立ち上がって伸びをすると襖を開けて部屋から出た。
清光達も探さないといけないし、それにしても打刀、脇差、太刀……まだ会ってる刀達は少ないとはいえ見当たらない。
短刀が一人も見つからないんだ。
槍などは人数は少ない方など聞いていたので会えなくても納得だが短刀が見つからないのが気になる。
無事、なのかな。
清光の話では短刀はいないと考えた方がいいのだろうけど……。
なんだろう、うまくは言えないけど……いる、感じがする。